「相続」と聞くと、相続争い、遺言、骨肉の争い…
そのようなネガティブな印象を持つ方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。サスペンスドラマのネタによくなっていますし
実際、ある程度年齢を重ねれば、周りにもご両親を亡くし
このような問題に発展する方が出てきます。
身内の死とお金が絡むという難しい、かつ、いやしい話になりがちなので
あまり愚痴感覚で周りに話す方はいないかもしれません。
見えにくいだけで、決して他人事ではありません。
ある例を出しますと、父を亡くした兄妹がいました。
母は脳梗塞を患っており、父が亡くなるまで実家で所謂老老介護でした。
兄も妹も結婚しており、兄は他県、妹は実家から車で30分の距離に住んでいました。
父が亡くなる前から、妹はこまめに両親の生活の世話をしに通いました。
兄は遠方ですし、嫁が帰たがらないため、ここ数年帰っていません。
父が亡くなると、兄妹共に母を引き取ることは困難だったため
数カ所転院を繰り返した後、妹の家の近くにある老人ホームに
入居させることが出来ました。
入居に関わるお金は、母が共済年金に長年加入していたため
そこから賄う事が出来ました。後見人も立て、妹が事務手続きなどで
ホームに行く際にかかった交通費は、後見人に申請し母の口座から支払われました。
それから5年程し、母は息を引き取りました。
その間、兄は一度だけ、嫁は一度も見舞いには来ませんでした。
しかし、葬式後、相続について大阪に住む兄の嫁はこのように主張しました。
「財産を全てこちらによこせ。うちは子供の教育費に金がかかる」と。
妹は驚きましたが、兄は嫁の言いなりのため、何も言いません。
嫁は、親族から精神病を疑われた為、一度病院に連れていかれましたが
単なる極端に偏った性格、と診断されたという過去があります。
何かと気に入らない事があれば、執拗な電話攻撃。
妹は、不服でしたが、この嫁とこれ以上関わり合いたくないため、
100坪をこえる実家も、お金の大半も、大阪の兄側に譲ってしまったようです。
この辺りは、後見人は何もしてくれなかったそうです。
遺書などがあれば、また違ったのかもしれませんが、それもありませんでした。
遺産の事を事前に話すと、親のことより金か!と悲しくなるかもしれませんが
ややこしそうな身内がいる場合は、他の身内に迷惑がいくこともあるため
ある程度は相続について話しておく、遺書に残しておくべきです。
昔は長男およびその嫁が同居、介護をし、そのかわり莫大な遺産を相続するという
自然の流れがありましたが、そんなものはとうに崩壊しています。
それなりに遺すものがある方は、自分の子供を過信せず、相続は円満に
行かない可能性があると思われる場合、何処かに全額寄付する方がいいかもしれません。
子は親を恨むかもしれませんが、愛する子供同士が醜い相続争いをしていたら
成仏なんて出来ませんから。